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2006/11/26

ヘッドライト・テールライト

 語り継ぐ人もなく
 吹きすさぶ風の中へ
 紛れ散らばる星の名は
 忘れられても
 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終らない
 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終らない

 足跡は 降る雨と
 降る時の中へ消えて
 称える歌は
 英雄のために過ぎても
 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終らない
 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終らない

 行く先を照らすのは
 まだ咲かぬ見果てぬ夢
 遥か後ろを照らすのは
 あどけない夢
 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終らない
 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終らない

 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終らない
 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終らない

(「ヘッドライト・テールライト」『短篇集』
 中島みゆき 2000年)


うかつなことにプロジェクトXを観たことが無かったから、
これもエンディングに流れる曲としてではなく、
中島みゆきの『短篇集』のアルバムで知りました。

シモーヌ・ヴェイユの「無名の領域」は、
ヘッドライト、テールライトが行き交う都市の夜景に
実体を浮かび上がらせるのかもしれません。

そこは、語り継ぐ人もなく、
紛れ散らばり忘れられる。
その最たる場所だから。

そんな場所として、東京が大好きです。

与論への好きとは比べものにならないにしても、
与論言葉に出会うことは無理にしても、
どこかの方言を聞かなければならないことも、
その圧力もない、
誰でもないただの人でいられるからです。

夢を持たずに来たのは、
自分の夢が、どうしようもなく、
与論にしかないことを
充分に思い知るためだったかもしれません。

与論島のことは、
「まだ咲かぬ見果てぬ夢」。

 遥か後ろを照らすのは
 あどけない夢

振り返りざまに見える夢は、
叶えてしまってかわいらしく見えるのかもしれないし、
そうではなく、
叶えられなかったにしても、
過ぎてしまえばその夢自体が、
あどけないものに映る、
そういう人の成長のことを言っているのかもしれません。

与論島への夢が、
あどけない夢に見える時がくるのか、
想像もつきません。

見果てぬ夢に、
めまいするばかりです。

Tokyo0609

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