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2006/11/19

琉球弧の与論島

グーグル・アースで琉球弧を眺めると、
与論島が、琉球弧の弧を形づくるひとつの島だと
はっきり分かります。

どこにあるか、分かりますか?

Ryukyuko_1















地図や地球儀があると、
まず真っ先に与論島が載っているかどうかを確めて、
針の先でつついたような黒点でも、
とにかくあれば、
よし、とばかりに、その地図や地球儀に合格点?
を出すようにつぶやいてきましたが、

グーグル・アースは、
地球に接近しさえすれば、
いずれ必ずはっきりとその姿を見せてくれるのがいいです。
どんなに小さくでも、存在していることが分かります。

 ♪ ♪ ♪

琉球弧は、ゆるやかな連なりです。
島尾敏雄が、そこを「弧」と呼んだことが
腑に落ちてくるようです。

 それは私にはひとつの解放であった。
 この島々の置かれた亜熱帯の風土は、
 それに加えて生活の様子にも異国らしさを
 与えている。それを吸収しようとして
 傾いていったのは、それが私の日本の
 画一からの脱出に、内部からひとつの
 きっかけを与えてくれると思えたからだ。
 つまりその異国らしさの底に結局は
 日本を見つけたが、そのきっかけが外から
 ではなく、内部kらのものだと思えたのだ。
 (「琉球弧の視点から」)

この文章は1977年、今からおよそ30年前の文章ですが、
南島に惹かれる人が後を絶たないのをみると、
今も色褪せてないのでしょう。

「北海道も東北もそして琉球弧も等距離で
見渡せる場所から、日本を見たいものだと思う」
と、島尾はこの文章を結びます。

では、とばかりにグーグル・アースでやってみましょう。

Japonesia
















こうみると、日本は思いのほか、
南北に長いですね。

この眺めからは、
日本というより、
島尾敏雄に倣って、
ヤポネシアと呼びたくなります。

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コメント

 またまた、サッちゃんでいいですか?
たしかに日本は、南北に長く繋がっています

 南は福州、広東から北は満州のハルピン
まで中国大陸の南北に匹敵します
 
 凄いことです
陸路であれば・・・、中国を100kmも
走れば、その広大さに唖然です
 
 「海上の道」(柳田國男)ならぬ、まさに
海路で連なるがゆえにこそ、単一国家として
の多様なまとまりをもって存在しているのが
日本なのだなあと、海路、陸路で辿ってみる
としみじみと感じられます

 『これは日本人がアイデンティティーを失っ
たというよりも、「ルーツを喪失しつつある」
というべきなのだ
 そのルーツも辿っていけば一つになるような
ルーツだと思わないほうがいい。むしろルーツ
は奥に向かって多様に広がっているとみるべき
だ』
 
 抜書きで申し訳ありませんが、松岡正剛氏(
編集工学研究所)のつい最近の言葉です
ここで引用させていただいたのは「日本人」
「ユンヌンチュ」に置き換えてみると、とても
含蓄のある言葉に思えたからです

 クオリアとは、心の豊かさ、生き甲斐をもつ
ことなのかと思っておりますが・・・

 与論のことを、これほど自ら楽しんで真剣に
考えている方がおられることに感動しています
 
 ユンヌ言葉には同じ意味、文法、語源であり
ながら、麦屋と茶花(赤佐)との発音、抑揚の
極端な違いと那間、古里その他の穏やかな話し
方の大きく三つに分別できるその歴史性の奥の
深さが消え去ろうとしてはいないでしょうか
 
 日本のどこにでもあるような小さな離島
それだけではない何かがあると信じています

 「ガッシュルフトゥシャ マイヤ コウラ
ヌ!」(そんなことで、めしは食えない!)
と怒られそですね

 
 

 


投稿: サッちゃん | 2006/11/19 20:47

サッちゃんさん、コメントありがとうございます。

人はマイのみにて生くるにあらず。(^^;)

「日本のどこにでもあるような小さな離島
それだけではない何か」。

私もこの「何か」に魅せられてきました。
それを言葉や形にして表現したいと思っています。

松岡さんの言葉は分るような気がしました。
ルーツを掘り下げてユンヌンチュ像を
多様性に向けて解き放つ、
そんなイメージを持っています。

言葉もそうですが、
顔だって、色んなユンヌンチュがいらっしゃいますよね。

投稿: 喜山 | 2006/11/20 09:55

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