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2006/08/14

せりあがる『ハイ・イメージ論』

Google Earth で、
ぼくは真っ先に吉本隆明さんの「世界視線」を思い出して、
久しぶりに『ハイ・イメージ論Ⅰ』を見ています。

驚いたのは、『ハイ・イメージ論』は、
いまだ解き明かされていない現在に肉薄したもので
新鮮な論考と思い続けていましたが、
改めて出版された日付けを見ると、1989年、
もう17年も前なのです。

「海燕」に掲載開始された時期にすると、21年前。
ベネッセコーポレーションが福武書店と名乗っていた頃のこと。

それはどういう歳月なのか。

ぼくは、本体価格の1602円をどことなく違和感のある数字と
思って、しばし眺めて、気づきました。
消費税3%時代、です!

ぼくは当時、「ハイ・イメージ論」を読みたいだけの理由で
毎月「海燕」を買って読みふけりました。
確かに今生きている世界の未知に立ち会っている興奮を覚えながら。

でも、バブルはそのうち弾け、長い不況にあえぐうちに、
「ハイ・イメージ論」で展開されたことも冬眠に入ったみたいに、
あるいは冷凍保存されたまま、鮮度を失わずに来たようです。

本当は、「ハイ・イメージ論」後の展開を、
ぼくたちはしなきゃならなかったのでしょう。

「ハイ・イメージ論」以後、不況にもかかわらず、
ぼくたちの周囲は、ハイ・イメージ論的な展開を少なくとも
二つ持ちました。

インターネットと超高層ビル群です。
前者は1995年に始まり、高度情報化の価値化の意味を
具体的にしました。

もうひとつは、不況は無関係というように、
林立を止めなかった超高層ビル群によって、
都市の景観は、映像都市論の後を追うように、
ますます映像化されていっています。

いま、『ハイ・イメージ論』は、
真新しい新刊のようにぼくたちに迫ってきます。

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