« 供利の一本松 | トップページ | ポエティック・アイランド »

2005/12/11

ハミゴー遊びは歌垣の

『ヨロン今昔』第2号の特集は「ハミゴー遊び」。

ハミゴー遊びは、
与論における歌垣の総本山とみなせばいいと思います。
与論では、戦前まで古代の歌垣が健在でした。

与論の歌垣は月夜の浜辺が舞台なのは言うまでもないけれど、
その中心といえば、
ハミゴーが格好の舞台を提供していたのでしょう。

そこが特別なのは、ハミゴーの下方に、
西向棚(イームッケエダナ)という南の海に大口を開いた
洞窟があるからです。

その洞窟は、狭い道をたどり、細い穴をくぐって
ようやく辿りつける場所です。

ぼくも20年前に行ったことがあります。
帰りがけ、白砂の丘陵をのぼったとき、
白砂に溶けいるように、どくろが佇んでいたのを覚えています。
そんなことがあっても、それが不自然ではない雰囲気でした。

その容易ならざる往路と沖縄を臨む洞窟が、
異空間の雰囲気を漂わせて、
歌垣の世界にすぐに入っていけただろうと想像できます。

おまけに舞台はそこだけではなく、
さらに干潮時だけ入ることができる低い場所に
もうひとつの洞窟が控えているのです。

湖水のように海水を湛えて、
透明な水面がきらきら輝く神秘的な空間。
しかも、そこは干潮時にしかいることができない。
隔絶された場所でロマンティックな気分に浸るには
絶好の場所だったことでしょう。

ハミゴーはそんな三重の空間を擁した歌垣の舞台でした。


『ヨロン今昔』は、戦後、復活の試みはあったけれど、
それが実現することもなかった史実も伝えています。

ここは苦笑するところ。

それはそうでしょう。
若い男女の風俗は、世につれうつろうもの。
それは、その後、ダンスホールやディスコ、クラブに
拡散していっているでしょう。

今は昔のハミゴー遊びです。

ただ、いまもハミゴーとその洞窟は、
その場にいけば、歌垣の記憶の雰囲気を感じさせてくれるに
違いありません。

古代の時間にすぐに遡行できる。
それは与論島の尽きない魅力のひとつに思えます。

hamigo





□ ハミゴー 1985年

iimukkeedana





□ 西向棚(いーむっけえだな) 1985年

cave





□もうひとつの洞窟 1985年

|

« 供利の一本松 | トップページ | ポエティック・アイランド »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ハミゴー遊びは歌垣の:

« 供利の一本松 | トップページ | ポエティック・アイランド »