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2005/09/07

星空と夜景

都市の夜景は、憧れと祈りだけでこと足りずに、
人が地上にひきずりおろした星空です。

人は、ストイックな輝きでは満足しないから、
星に欲望の幅で色づけをしてビルの光にしました。

人は、瞬く間では願望を語れないからと、
いつでもなんでも叶うと思えるように、
流れ星をカーライトのゆるやかな連なりに変えました。

人は、かすかな輝きは目を凝らさなくてはいけないから、
いいえ、そうではなく、星空を地上におきたかったので、
星が見えないように、夜景の光量をあげるのです。

星空はこうして地上に落ちました。


東京都与論町。

70年代に与論島が観光のメッカになった時、
こんな風に言われました。

小学生のぼくは事態を呑み込めず、
あんなに離れているのに一緒になるんだろうかと驚きました。

でも、いつの頃からか、「東京都与論町」という言葉は
あるリアリティを帯びるようになりました。

東京の夜景は、与論の星を地上に落としたものだよ、と。

与論の星空を通ると、東京の夜景に出る。
東京の夜景の向こうには、与論の星空がある。
そんな夢想をするようになりました。

それは夢想のなかでしか成り立たないけれど、
ぼくはずいぶんと慰みにも似た気持ちになるのでした。


人よ、願わくば、幼き夢想を笑いたもうな。

そのおかげで、都市の夜景に与論島を幻視することができるのだから。

tokyotower

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