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2009年9月19日 (土)

1Q84年9月以後の空想

 10歳のときに手を握った。そのときの想いを届けることが作品の骨格だったとしたら、空気さなぎに眠る青豆が天吾にぬくもりを送ったのだから、作品としては完結していることになる。


 けれど、物語の流れからいえば、次の展開をどうしても空想してしまう。

 青豆は死なない。青豆は組織からも追われなくなる。青豆はリトル・ピープルにとって次の代理人の候補になったのだ。一方の天吾は、その代理人である天吾との関係の深さから、反リトル・ピープル・モーメントの鍵を握っているにもかかわらず、直接、手をくだされることはない。青豆と天吾は、二人の関係によって1Q84の世界の善と悪の均衡を保つようになる。

 今夜の空想。でも書いててちょっと恥ずかしくなった。

 男は言った。「彼らには君を破壊することはできない」
「どうして」と青豆は尋ねた。「なぜ彼らには私を破壊することができないの?」
「すでに特別な存在になっているからだ」
「特別な存在」と青豆は言った。「どのように特別なの?」
「君はそれをやがて発見することになるだろう」
「やがて?」
「時が来れば」
 青豆は顔をもう一度歪めた。「あなたの言っていることは理解できない」
「いずれ理解するようになる」


   『1Q84』


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