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生活者視点で会話する

 昨年、四家さんに「カンバセーショナル・マーケティング」という概念を教えてもらったが、その際、マーケターが消費者のコメントに反応しないことが課題として挙げられていた。つまり、消費者とマーケターの会話が生まれていない、と。

 そんな問題意識からいうと、「青雲アモーレ・フォトアルバム」は、会話を生んでいる例だと思う。

 このブログサイトを見ると、消費者のフォトアルバムの投稿を募っているが、事務局の小野さんは、ひとつひとつの投稿に、しっかりコメントを返している。しかもそれだけでんはなく、よく見ると、コメントやトラックバックをしている消費者のブログサイトにもコメントを返したりしている。これはなかなかできないことではなだろうか。

 まず、主催しているフォトアルバムの投稿サイトにコメントを返すこと。これが、冒頭のカンバセーショナル・マーケティングの課題として語られていたことだけれど、ここは難なくクリアされているようにみえる。

 というのも、投稿へのコメントだけではなく、小野さんは消費者ブログでコメントを投稿してもいるからだ。コメントやトラックバックつながりで辿った消費者のブログへのコメント投稿は、消費者に嫌がれるのではないだろうかという懸念を含めて、心理的なハードルもあることだ。けれど、見ている限り、これも無理なくクリアしているように見える。

 この2つの会話が成り立つためには、

1.投稿に対するコメントが、「コメントありがとうございます。」という挨拶だけでなく、投稿画像に対する感想を自分の言葉で丁寧に書いていること。

2.投稿だけでなく、消費者ブログに対しても、マーケターとしてではなく生活者視点でコメントしていること。

 この2つがポイントになっているように思える。


 こうした会話で何を実現しようとしているのかといえば、わたしは信頼関係だと思う。信頼関係はコミュニケーションのベースになるものだからだ。企業が担当者に要素分解されて、生活者視点の担当者が消費者と会話することで、いままでにない関係が作られていくさまを、ここに見ることができる。

 ぼくは、マーケターと消費者の関係は、「囲い込み」から「飛び込み」へ移行すると考えているけれど、では「飛び込み」とは何なのか、というとき、その具体的な姿が現れてきたように思うのだ。



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3.ダイアログ・マーケティング」カテゴリの記事

コメント

それは私が既存の広告表現ではもう届かないんじゃないかという思いと、どこかでつながっているように感じました。
私は、昨今言われているブランデット・エンターテイメントという概念に違和感を持っているのですが、それがクリアになったような気がします。たぶん、それは今までのイディオムがテクノロジーの進化とメディアの多様化で言い換えただけだからでしょう。
コメントを返す。相手のサイトにコメントをする。たったそれだけのことですが、その行為を実現できる意識を持てるかどうかというのは、これからのブランドの試金石になるんでしょうね。

投稿: mb101bold | 2008/02/13 16:19

mb101boldさん。

ブランデット・エンターテイメントは、既存メディアの論理をそのままネット内で持ち込んでいるように見え、内在性が足りない気がしてきました。

広告のプロのmb101boldさんと、コメント返しについて共感して話せること、とても嬉しいです。

投稿: 喜山 | 2008/02/13 22:42

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