« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

ベネフィット史とウォンツ史

 商品を、個々の商品ではなく、商品のベネフィットの流れの中で位置づけることはできるだろうか?

 そして、それに対応する消費者のウォンツ史を対応させることができるだろうか?

 これを作るということは、新商品がつくるべき新しいベネフィットを明らかにすることであり、新商品が応えるべき消費者のウォンツは何かの兆候を掴むことである。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヒット商品のベネフィットとウォンツ(1993年)

 『日経トレンディヒット商品航海記―日本人の消費はこう変わった』をテキストにしたヒット商品のベネフィットとウォンツ。1993年。

◆1993年

1  リーグ
B:プロ・サッカーが楽しめます。
W:プロのサッカーを観たい。

2 格安紳士服
B:格安の紳士服です。
W:リーズナブルなスーツがほしい。

3 ダイエー「セービング」
B:品質のある低価格の商品です。
W:とにかく日用品を安く買いたい。

4 『ジュラシック・バーク』
B:リアルな恐竜が楽しめます。
W:本物さながらの恐竜が観たい。

5 アウトレット
B:ブランドを安く提供します。
W:リーズナブルにブランド品を買いたい。

6 円高還元商品
B:輸入品を安く提供します。
W:海外輸入品を安く買いたい。

7 ナタ・デ・ココ
B:グミのような食感の甘いデザートです。
W:食感のある甘いデザートがほしい。

8 『磯野家の謎』
B:サザエさん家の謎を研究しました。
W:なじみのある漫画を、田らしい視点で味わってみたい。

9 ウインドウズ3.1
B:映像主体の新しいパソコンのOSです。
W:映像を使って直感的にパソコンソフトを使いたい。

10 地方のジュリアナ現象
B:男女1000人で一緒に踊れます。
W:同世代の異性に出会いたい。

11 格安マンション
12 『クレヨンしんちゃん』
13 食べ放題レストラン
14 福岡ドーム
15 マグヌードル
16 ビーイング系ミュージシャン
17 ポケベル
18 屋台村
19 カジノバー
20 『清貧の思想』
21 『セーラームーンR』
22 缶入り緑茶
23 J.CREW
24 シーガイア
25 サボ・サンダル
26 ザウス(SSAWS)
27 CD・ROM
23 テレビデオ
29 3Dステレオグラム
30 子供用電子手帳

メモ。
 当たり前といえば当たり前だが、不況というのは、全ての価値を「価格」に収斂させる現象のようにみえます。格安紳士服、ダイエー「セービング」、アウトレット、円高還元商品、どれも価値は「価格」です。ここからみると、Jリーグは夢中になれるものがほしかったように見えるし、『ジュラシック・バーク』も、思いっきり浮世離れした世界を観たかったのだと思えてきます。『磯野家の謎』 は、1992年の『ツイン・ピークス』のベネフィットに近く、ウォンツが内向化しているのが分かります。しかし、「ウインドウズ3.1」に見られるように、変化というのは、こうやってひっそりと確実に訪れているものですね。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヒット商品のベネフィットとウォンツ(1992年)

 『日経トレンディヒット商品航海記―日本人の消費はこう変わった』をテキストにしたヒット商品のベネフィットとウォンツ。1992年。

◆1992年

1 大型ゲームセンター
B:仕事帰りに遊べます。
W:近場のゲームセンターに行きたい。

2 オートキャンプ
B:家族で乗ってキャンプができます。
W:家族でキャンプに行ける車がほしい。

3 カラオケルーム
B:仲間同士でカラオケを楽しめます。
W:気軽にカラオケに行きたい。

4 『ツイン・ピークス』
B:アメリカの小さな町で起きた殺人事件の謎を解くいままでにないドラマシリーズです。
W:サスペンスドラマに思い切り浸りたい。

5 スウオッチ
B:おしゃれな時計です。
W:時計でおしゃれしたい。

6 RV(レクリエーション・ビークル)
B:アウトドア用の車です。
W:キャンプに出かけられる車がほしい。

7 レモン飲料
B:甘さ控えめ、レモンの飲み物です。
W:レモン味の水が飲みたい。

8 テスティモ
B:キスしても落ちない口紅です。
W:化粧直しに時間とられなくていい口紅がほしい。

9 もつ鍋
B:安くて健康にいい鍋です。
W:気軽に楽しめる鍋がほしい。

10 シングルCD
B:ドラマやCMソングに使われたあの曲が聞けます。
W:カラオケ用の一曲を聞きたい。

11 百貨店値頃商品
12 デカピタC
13 女性映画F氷の微笑招愛人/ラマンj
14 Jリーグ
15 女優のヌード写真集
16 エア・ジョーダン(バスケットシューズ)
17 『それいけ×ココロジー』
18 おしゃれなコンドーム
19 グッドアップブラ
20 タイ科理
21 ダイエットコーク
22 AMステレオラジオ
23 ハウステンボス
24 きんさん・ぎんさん
25 VR(バ」チヤルリアリティ)
26 ジオポリス
27 デルカジ
28 ストリートファイターⅢ
29 イージーパンツ
30 ワイルドブルーヨコハマ


メモ。
 この年、「安近短」が明瞭に。ヒット商品はこれほど時代を映すのかと驚きます。「レモン飲料」は、1989年の「はちみつレモン」の後継に位置するだろうか。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヒット商品のベネフィットとウォンツ(1991年)

 『日経トレンディヒット商品航海記―日本人の消費はこう変わった』をテキストにしたヒット商品のベネフィットとウォンツ。1991年。

◆1991年

1 カルピスウォーター
B:その場ですぐにカルピスが飲めます。
W:街角でカルピスが飲んでみたい。

2 ムーバ(携帯電話)
B:最小で最軽の携帯電話です。
W:最先端の携帯電話を使いたい。

3 画王
B:大画面で衛星放送を観れます。
W:いままにない迫力のある画面のTVを観たい。

4 UX-1(家庭用FAX)
B:電話機のないFAXです。
W:FAXだけ使いたい。

5 ジュリアナ東京
B:男女1000人で一緒に踊れます。
W:同世代の異性に出会いたい。

6 『ウォーリーをさがせ!』
B:宝探しのように遊べる絵本です。
W:大人が楽しく時間つぶしできる絵本がほしい。

7 『少年アシペ』(ゴマちゃん)
B:真っ白なアザラシ赤ちゃんのぬいぐるみです。
W:ほっとできるぬいぐるみがほしい。

8 東京都庁
B:地上45階の展望台から東京が一望できます。
W:新しいランドマークを見たい。

9 『東京ラブストーリー』
B:ふつうのOLの恋愛物語です。
W:女性が主体的な恋愛番組が観たい。

10 スーパーファミコン
B:いままでにない映像でゲームができます。
W:映像を楽しみながらゲームをしたい。

11 ピート
12 紺プレ
13 パノラマコンパクトカメラ
14 紫外線カット商品
15 エンドウ豆スナック菓子
16 MSウインドウズ3.0
17 「きがんLやトーマス(ビデオ)」
18 ブラック系ダンス
19 フルーツカクテル
20 成田エクスプレス
21 生カップめん
22 ガーラ湯沢
23 高級アイスクリーム
24 ミニスカート
25 モーツアルト商品
26 ハンディカム705
27 特定小電力トランシーバー
28 スーパーフーバー(スライダープール)
29 ヘア写真集
30 国産ミュージカル


メモ。
 希釈(カルピスウォーター)、遅延(ゴマちゃん)が価値化。「ジュリアナ東京」は、バブルが終わったことに気づきたくない逃避行としての祝祭のようにも見える。男女の出会いの場は、これ以降、内向し。SNSへと向かった!?


| | コメント (0) | トラックバック (0)

「TSUBAKI」から「匠海」へ

 カルビーの開発マーケター、宮倉さんからすごい話をお聞きしました。

 宮倉さん。少し前に、新製品「かっぱえびせん 匠海」をプロデュースしています。「匠海」と書いて、「たくみ」と呼びます。
 「かっぱえびせん 匠海」は、「かっぱえびせんを極める」という謳い文句からもうかがい知れますが、かっぱえびせんの発祥の地、広島の瀬戸内海の海老を使って作ったもので、カルビーのオリジンにこだわっています。30枚で1200円。こだわりぶりは、小袋入りの包装や価格にも現れています。

 ところで、宮倉さんによると、「匠海」は、「TSUBAKI」に影響を受けているんだそうです。
 「匠海」? 「TSUBAKI」?
 一方は、かっぱえびせん。一方は、ヘアケア商品。一体どんなつながりが?

 宮倉さん曰く。
 「TSUBAKI」は出てきたときから好きでした。ロゴタイプ、余白感、格好いいフォルム、そして、「椿」を使ったということ、そして何といってもあの「赤」。あの赤、いいです。「匠海」のパッケージつくるときも、「TSUBAKI」で説明したくらいでした。

 そう言われてみると、「匠海」も、海老にこだわり、高品位に仕上げています。

 ■ 「匠海」

 ■ 「TSUBAKI」

 こうなると、「匠海」と「TSUBAKI」を、間近で見たくなりますが、両方とも手元にないので、「匠海」のパッケージがわかるサイトは無いかと探して、これならと思ったのが、もぐらてんさんの記事です。

 「かっぱえびせん 匠海 」

 確かに、上品にデザインされています。この、海老の「赤」から、「TSUBAKI」の赤を彷彿とするような気がしないでもありません。

 わたしは、「TSUBAKI」のベネフィットについて、古典的価値の今風化として捉えていますが、宮倉さんの話を踏まえると、もっと深く、“DNAの今風化”と言うべきものかもしれないと思います。

 ヒット商品へのマーケターの共感が次のヒット商品のなかに生かされたケースですね。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

「品格」つながり

 ISIS編集学校、頭取の大川雅生さんとお話しする機会がありました。
 『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』の本のことというより、そのものの、キリン・ザ・ゴールド談義です。

 大川さん曰く。
 キリン・ザ・ゴールドには、品位を感じる。それって、出そうと思って出せるものじゃない。時勢とも合ってますね。
 今年は、「偽」だの「不信」だのが流行したように思われているけれど、実は、「品格」の年だった。「品格」本がどんどん売れましたよね。で、「品格」は、「偽」や「不信」が騒がれれば騒がれるほど、実は、強く求められる。そこに、キリン・ザ・ゴールドがポジショニングできる場もあるかもしれないですね。

 この話、わたしはとても唸ってしまいました。

Kgwants_4


















 わたしは、キリン・ザ・ゴールド評価の生の声を読んで、キリン・ザ・ゴールドのベネフィットと消費者のウォンツを上の階層のように捉えました。

 より上層の、自己表現に近い観念価値の部分は、生の声のデータ自体も少なく、「正統的な自分を感じたい」と考えましたが、言葉がこなれないので、補足で、「成り上がりではくセレブっぽい」などと言い足してきました。でも、大川さんの言を借りれば、「品格」のことですね。「品格を出したい」の方が、ウォンツ表現に合っています。

 消費者が「品格」というウォンツを持っているとすれば、『国家の品格』、『女性の品格』、『親の品格』が提供しているベネフィット(それらの個別のベネフィット表現はそれぞれ別ですが)、と同じ場所に、キリン・ザ・ゴールドもあると言うことができるかもしれなせん。「品格」つながりですね。



 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

異色、な本

 わだぶろぐの和田さんが、『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』の感想を書いてくれました。

「かなり異色なマーケティング本」

 と、和田さんは評しているけれど、実際、そうだと思います。
 この本は、著者の語りというより、消費者の声を主役に構成しているからです。ふつう、本は、専門家が読者に向けて語るのですが、この本は、読者の語りを専門家が読むという構成にしてみたかったのです。マーケターのためのマーケティング読本です。

「一人マーケティングスキルアップ研修」

 たしかに、こう使ってもらえたら本望です。

この本の重要なキーワードは「生の声」。 表紙にもしっかり書かれている。

決して「キリン・ザ・ゴールド」という特定商品の解説本ではなく、またキリンの製品戦略を分析した本でもない。

消費者の「生の声」データの中から「なぜ?」を見つけるプロセスを、読み手それぞれが、頭を実際に働かせて辿ってみる経験ができる、そんな本かな。うーん、うまく説明するの難しい。

 と、こう書いてくれていますが、その通り、そんな、難しさもあるなぁと感じています。
 つまり、立ち向かわなきゃならない本という点は、ハードルがあるかもしれません。

 和田さんの感想をありがたくお聞きして、バージョンアップの肥やしにしたいと思うのでした。
 和田さん、ありがとうございます。


 それにしても、キリン・ザ・ゴールドの画像が美味しそうです。(^^;)




 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヒット商品のベネフィットとウォンツ(1990年)

 『日経トレンディヒット商品航海記―日本人の消費はこう変わった』をテキストにしたヒット商品のベネフィットとウォンツ。続いて、1990年です。

◆1990年

1 水族館
B:海面から海底までの魚たちが立体的に見えます。
W:水深の深い海の中を間近に見てみたい。

2 BSチューナー内蔵テレビ
B:民間の衛星放送が見れます。
W:ワールドカップをリアルタイムで観たい。

3 ちびまる子ちゃん
B:新人類が子どもの頃の日常を描いたアニメです。
W:等身大の家族の物語が観たい。

4 スーパーファミコン
B:いままでにない映像でゲームができます。
W:映像を楽しみながらゲームをしたい。

5 一番搾り
B:麦のうまさがつまったビールです。
W:搾りたてのようなビールが飲みたい。

6 再生紙
B:古紙入りの紙を使えます。
W:環境に配慮した紙を使いたい。

7 ファジー洗濯機
B:量や汚れの度合いを読み取って洗濯します。
W:量や汚れの度合いに合わせて洗いたい。

8 キュロットスーツ
B:スーツ仕立てのキュロットです。
W:仕事場で着れるキュロットがほしい。

9 ダイヤルQ2
B:有料の音声サービスを聞けます。
W:電話で手軽に情報を得たい。

10 ティラミス
B:濃厚だけどしつこくない甘さのチーズケーキです。
W:イタリア料理にあうデザートがほしい。

11 二谷友里恵
12 携帯電話
13 TR75
14 鉄骨飲料
15 写ルンですシリーズ
16 東京湾クルーズ
17 ブック型パソコン
18 RVレクリエーシヨナル・ビークル)
19 超400リットル冷蔵庫
20 ジャンボタクシー
21 豪華列車
22 DC浴衣
23 ヤングゴールドカード
24 水上オートバイ
25 無糖清涼飲料
26 高級フィットネスクラブ
27 紫外線カット化粧品
28 リンゴ果汁
29 ミニドリンク剤
30 ミニ浄水器

メモ。
 1987年からヒット商品のベネフィットとウォンツを追ってきて、1990年、何か、想像しにくくなってきた。「ダイヤルQ2」、「ティラミス」など、リアルな言葉に迫れていない。それは酒のせいばかりではないと思う。BS、一番搾り、再生紙、ファジー洗濯機など、シンプルに価値を打ち出しているというより、内圧を高めるように、高度化に歩みを進めだしたように見える。絵に描いたようなバブル経済は過ぎたということだろうか。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

本屋で『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』を見つける

 書店の棚で『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』を見つけました。

 ほっとしました。

Nazegold










マーケティング書のコーナーに無かったので、
おそるおそる店員さんにお聞きしたら、
ココですよ、とあっさり指差してくれました。

目に入ってなかったんですね。恐るべし、思い込み。

池袋のジュンク堂さんは、『10年商品をつくるBMR』のときも、
同じように、面で置いてくれました。

ありがたいことです。
期待に応えられるようにがんばらなくては、
と思う金曜の午前でした。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヒット商品のベネフィットとウォンツ(1989年)

 『日経トレンディヒット商品航海記―日本人の消費はこう変わった』をテキストにしたヒット商品のベネフィットとウォンツ。続いて、1989年です。

◆1989年

1 ハンディカム55
B:軽い小型のビデオムービーです。
W:旅の様子を撮影できるものがほしい。

2 吉本ばなな
B:ふつうの女性の物語です。
W:ルサンチマンを根拠にしない小説を読みたい。

3 フラワーロック
B:音楽に合わせて花が踊ります。
W:音楽をより楽しめるものがほしい。

4 はちみつレモン
B:はちみつとレモンが身体を温めます。
W:身体にいい甘酸っぱい飲み物がほしい。

5 幕張メッセ
B:大規模なイベントや会議が一度に開催されます。
W:世界から集められた展示物を一度に見たい。

6 美空ひばりヒット曲全集
B:美空ひばりの作品を全部、味わえます。
W:美空ひばりの作品を持ちたい。

7 ゲームボーイ
B:どこでもファミコンをすることができます。
W:部屋で寝そべりながらファミコンしたい。

8 渋カジ
B:渋谷発のシンプルなファッションを楽しめます。
W:若者発の流行のファッションをしたい。

9 CLD・100
B:CDやLDで音楽を楽しめます。
W:音楽を聴くだけでなく観て楽しみたい。

10 J一世WE
B:無国籍感覚で音楽中心の番組を楽しめます。
W:BGMがずっと流れているようなラジオを聴きたい。

11 ピクシー
12 スターツアーズ
13 DKNY
14 テトリス
15 オリゴcc
16 留守録コードレス電話
17 いかすバンド天国(いか天)
18 コご-ノスロードスター
19 マイカル本牧
20 伝言ダイヤル
21 深夜バス
22 果汁グミ
23 ヘリコプター
24 マウンテンバイク
25 カラオケBOX
26 シンピ」ノジャワティーストレート
27朝シャンタオル
28 液晶ピジョン
29 小口MMC
30 デューダ

メモ。
 「東京ドーム」に続いて「幕張メッセ」、「村上春樹」に続いて「吉本ばなな」。1989年は1988年の反復の側面と持っている。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

コンセプトは『なぜ解き』

 『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』のコンセプトは、「なぜ解き」です。

 ヒット商品を使う消費者の声から、ヒット商品はなぜ売れるのか、消費者は何を求めているのかを解き、新商品アイデアのヒントを抽出します。

 ヒット商品には、次のヒット商品のヒントがいっぱい。
 それを見つけるのが「なぜ解き」の狙いです。



Ktg
















| | コメント (5) | トラックバック (0)

ヒット商品のベネフィットとウォンツ(1988年)

 『日経トレンディヒット商品航海記―日本人の消費はこう変わった』をテキストにしたヒット商品のベネフィットとウォンツ。続いて、1988年です。


1 東京ドーム
B:巨大な屋内で野球やコンサートを楽しめます。
W:雨風を気にせず野球や音楽を楽しみたい。

2 シーマ(3ナンバー車)
B:いままでにない高級感のある車です。
W:3ナンバーの車に乗りたい。

3 リゾートマンション
B:リゾート地でマンション住むことができます。
W:リゾート地で快適に過ごせる住宅が欲しい。

4 シャネル
B:ステータスあるファッションです。
W:シャネル・ブランドが欲しい。

5 ドライビール(ドライ現象)
B:辛口のビールを楽しめます。
W:新しい時代のビールが欲しい。

6 レーサーミニ四駆
B:プラモデルを組み立ててレースをすることができます。
W:ミニチュアでF1を運転する気分に浸りたい。

7 フローレス・セイコ(TCブランド)
B:松田聖子がデザインしたファッションです。
W:松田聖子のブランドがほしい。

8 ノルウェイの森
B:100%の恋愛小説です。
W:自分のことのように思える恋愛小説が読みたい。

9 キューティクルコート
B:枝毛を防ぐことができます。
W:櫛どおりよくしてくれるものがほしい。

10 海外ミュージカル、オペラ、バレエ
B:海外のミュージカル、オペラ、バレエを見れます。
W:本場の芸術公演を観たい。

11 ウオータースライダー
12 ジェンテイルドンナ(高級パンスト)
13 ビデオマガジン(低価格ビデオ)
14 イタリア家具
15 NICSスー!トショップ
16 ドラゴンクエスト3
17 コードレス電話
18 電子手帳RA-7000
19 ダックスボイス
20 ファイブミニ
21 クール宅急便
22 トレシー
23 ウイスパープラス
24 ぎふ中部未来博覧会(地方博)
25 101(育毛剤)
26 衛星放送
27 サラダソース
28 北海道ゴールデン・トライアングル
29 スキューバダイビングクラブ
30 『ラストエンペラー』

メモ。「東京ドーム」は巨大化、「レーサーミニ四駆」は縮減化。


| | コメント (0) | トラックバック (2)

ブログの生の声は使えるか?

 マインドリーディングの松尾さんが、テキスト情報の分析について書いています。

 ※「プロファイルパスポート」とは?

 記事自体は、消費者の生の声や、メディア接触・視聴履歴、行動履歴、購買履歴などによって、個人をプロファイリングする技術についてなのですが、「生の声」を収集するに当たって、ブログも対象になるとして注釈を挙げています。

ただ、こうした分析を行う前に、
まず、スパムブログやアフィリエイトブログ、
やらせブログの情報を排除しなければなりません・・・

ニフティ研究所でも、
「ブログ」を対象としたテキストマイニング、
すなわち「ブログマイニング」に取り組んでいますが、
所長の友澤大輔氏によれば、世の中のブログ全体の半数以上が、
スパムブログを始めとする、分析には使えないブログである
ということが同所の分析からわかっているとのことでした。
「プロファイルパスポート」とは?」

 この研究成果は体感的に分かるところがあります。
 わたしも、『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』を書く際に、キリン・ザ・ゴールドについて書かれたブログを片っ端から読みました。

 その実感からすると、ニフティ研究所の成果の延長戦でいえば、半分はスパムブログ、4割は生の声として使えないブログ、残りの1割が、マーケティングを考えるのに有効なブログでした。

 使えないブログという意味は、「生の声マーケティング」に使えないということで、ブログとして意味がないということでは全くありません。そもそも、消費者は「生の声マーケティング」のために書いているわけでもないのですから、そんなこと、知ったことではないでしょう。

 わたしが言いたいのは、ブログとしての価値はあっても、それが必ずしも「生の声マーケティング」に有用だということにはならないということです。たとえば、「うまい!」と色つき大文字で書いた記事は、書き手の評価の強さを教えてくれますが、これを「生の声マーケティング」に使うには、苦味がうまかった、コクがあった、キレがあった、など、うまいの中身についての具体性がどうしても必要です。その具体性がないとき、「生の声マーケティング」の対象にはなりにくいのです。

 そんな背景があります。テキスト情報分析が、どこまで自動化を見せてくれるか、注視していきたいところです。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヒット商品のベネフィットとウォンツ(1987年)

 『日経トレンディヒット商品航海記―日本人の消費はこう変わった』に、「日経トレンディでたどる ヒット商品20年史」が載っています。

 格好のデータなので、これをテキストに、1987年から2006年までのヒット商品のベネフィットとウォンツを考えていこうと思います。ゴールは、時代のベネフィットとウォンツの推移を理解すること。

 商品の解説がついているのが、上位10位までなので、10商品を俎上にのせます。まずは、1987年からです。

Hitp










◆1987年

1 自動製パン機
B:自宅で簡単にパンを焼くことができます。
W:焼き立てのパンを食べたい。

2 『サラダ記念日』
B:話し言葉の短歌を読むことができます。
W:自分たちの感覚に合った短歌を読みたい。

3 NICS製品
B:ビデオの再生だけできます。
W:録画はなくて再生だけできるビデオがほしい。

4 巨大迷路
B:長時間、迷路を楽しめます。
W:迷路で存分に遊びたい。

5 「Be-1」グッズ
B:車以外で「Be-1」の世界を楽しめます。
W:「Be-1」グッズがほしい。

6 プールバー
B:おしゃれな空間でビリヤードができます。
W:ビリヤードしたい。

7 本の宅配
B:自宅まで本を届けます。
W:注文した本を書店に行かずに自宅で受け取りたい。

8 ハイオクタン価ガソリン
B:燃費がよくパワーの出るガソリンです。
W:経済的でかつパワフルなガソリンが欲しい。

9 ケミカルウオッシュジーンズ
B:新品を中古感覚で履くことができます。
W:着古しをデザインしたジーンズが欲しい。

10 衛星放送
B:海外の番組を高画質で観れます。
W:アメリカのニュース番組や大リーグ中継を観たい。

11 大画面テレビ
12 洗髪洗面化粧台
13 スー「バードライ
14 4WS自動車
15 『トマトの本』
16 おにぎり
17 電動水鉄砲
18 通勤快足
19 テレビ電話
20 夏型チョコレート

メモ。
「NICS製品」は機能低減。



| | コメント (0) | トラックバック (1)

競合製品の決め方

 競合製品Cの決め方メモ。

 競合製品は、製品PのベネフィットBとウォンツWの双方からアプローチすることができる。

 開発段階:同じベネフィットBを持つCが競合製品。(B-C)
 販売段階:同じオケージョンOで同じウォンツWを持つCが競合製品。(OW-C)

 cf.『10年商品をつくるBMR』




| | コメント (0) | トラックバック (0)

「触れるだけ」と「身体を動かす」

 「2007年ヒット商品番付(日経MJ 12/03)」の商品とそのベネフィットを眺めながら、ベネフィットの中味として新しい要素はないかという目線で眺めると、「触れるだけ」と「身体を動かす」という条件が気になってきます。

 ※「2007年ヒット商品のベネフィット」

01)映像自在
・iPodタッチ -指でなぞるだけで映像や音楽を楽しむことができる。

03)身体参加
・Wii&DS
-身体を動かして遊ぶことができる

 「触れるだけ」も「身体を動かす」も、それだけではベネフィットを構成することはできませんが、「触れるだけで音楽を楽しめます」、「身体を動かして遊ぶことができます」と、従来のベネフィットにリンクすることで商品のベネフィットをこれまでにないものにしています。

 新しいベネフィットの、その新しさを保証している条件に「触れるだけ」と「身体を動かす」はあるということです。そして、「身体を動かす」を強化して、「身体を激しく動かす」という条件にすると、「ビリーズ・ブート・キャンプ」のベネフィットにリンクする条件になることもできます。

 「触れるだけ」と「身体を動かす」は、身体動作として、静と動の両極にぶれています。この両極の延長を想像すると、「触れるだけ」は「思念するだけ」に、「身体を動かす」は激しさや美しさなどの限界値を目指すように、ベネフィットの条件として推移してゆく図がイメージされてきます。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

「件名」しかない

 以前、携帯メールの影響を受けたeメールの新しい現象として、「『件名』がない」メールのことを取り上げましたが、携帯メールにはもうひとつタイプのあることを知りました。

 それは、

 「件名」しかないメール

 です。

 先日、待ち合わせをしていたときのこと、「いま○○に向かっています」と、待ち合わせ場所を書いた件名のメールをもらいました。ところがちょっとびっくりしたのは、さっそく件名を押して本文を見たところ、本文がない。あれ、ひょっとして本文を書く前に間違って送ってしまったのかな、意外とそそっかしいな、などと勝手なことを思ったのです。ところが次のメールが来ないので迂闊なわたしもやっと、これはこれで完結しているのに気づきました。だって、「件名」だけで用は果たしているわけですから。

 なるほど、と、わたしは感心してしまいました。

 「件名のないメール」は、高校の息子が送ってきたメールがそうだったので、体験することができました。いままた、新しいタイプ、「件名しかないメール」を体験できたのですが、こちらはほぼ同世代の方からです。若い世代だけがやっているわけではない、ということですよね。

 仕事用のeメールという文脈から離れてみると、この二つはどちらも携帯メールの使いこなしと言えるものです。件名も本文もない、そこにはメッセージがあるだけ、というのは、小説、詩と短歌、俳句、コピーとの違いを連想します。

 そこにあるのはメッセージだけ。こう考えると、メッセージだけの箱しかないauのCメールが本来的に思えてきます。

 「件名しかないメール」、送ったことありますか?



| | コメント (0) | トラックバック (0)

殿、様、さま、さん。2

 先日、「殿、様、さま、さん。」で、ぼくは、「○○部長殿」という書き方について、「殿」の他にも、「様、さま、さん」という選択肢の方へ議論を進めましたが、もとはといえば、「○○部長殿」と書く人がいるが、この場合、「殿」は要るのか?と聞かれたのでした。

 これにぼくは、「『殿』が要るか要らないかというより、『部長』をつけなくていいのではないか」と答えて、びっくりされたのでした。気を遣うのは分かりますが、せっかくフランクなコミュニケーションを促進してくれるメディアがあるのに、わざわざ文書文化に戻して、堅苦しくなる必要はないのにと感じたわけです。

 ただ、その企業ではほぼ全員が、「殿」を使うというだけでなく、名前に役職もつけるのだそうです。そういう中で、それを外す、のには確かに抵抗が伴うでしょう。だからすんなりできるわけではない。でも、期待したくなります。「○○さん」とeメールを送る人の登場を。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

装丁の気持ち

 つぼいさんのイラストに続いて、『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』の装丁、レイアウトデザインを描いてくれた、糟谷一穂さんからもメッセージをいただきました。


 ※糟谷 一穂(kasuya ichiho)


Ktg















この本の装丁を担当させていただきました
デザイナーの糟谷です。
この度は刊行おめでとうございます。

「本が大好き。でも言葉で表現することが
大の苦手なので(形や色を使って)この仕事をしているんですよ~」
…と、話すのが苦手な私の常套句で言い訳をしてから
少し、この本に込めた思いを「生の声」でお話ししようと思います。

最初に喜山さんからご連絡をいただいたのは8月でした。
すぐにイラストレーターを交えてディスカッションしながら
打ち合わせをしましょう、とご連絡いただきました。
イラストを担当される、つぼいさん。イラストを拝見すると
今までお付き合いのあるイラストのテイストの方とは少し違いそうだぞ。
編著者の喜山さん。編集者の方ではなく
編著者の方と直接お仕事をするのは初めてだぞ。
ゲラを拝見すると今までに読んだことのないタイプの本、
「生の声」や「年齢・性別」「まとめのキーワード」「通常の文章」など
いろいろな要素があって、本文の組も難しそうだぞ。。。

しかし、なぜか、不安どころか
ワクワクした気持ちでいっぱいになったのを覚えています。

その最初の打ち合わせの帰り道では
つぼいさんと既にどんなイラストがいいかを
何案か出しあったりしながら帰り、そしてその後も、
本文組もイラストも3人で相談しながら
作り上げていくことが出来たと思います。

シリーズで出したい本だということをお聞きしていたので
その商品のもつ色のイメージをうまく利用した
装丁が出来るとよいと思っていました。
そこにつぼいさんの楽しいイラストがあれば
カラフルで楽しい手に取りやすい本になり
まとまったイメージも伝えられるのではないかと感じていました。

そしてついに出来上がったイラストは
楽しくこの本の魅力を存分に表現してくださっていたので
私はそのイラストをどうしたら一番活かせるかを考えて
素直に手を動かすだけで自然にデザインは決まっていったように思います。
イラストの缶を上部を大きくしてほしいとリクエストをした時から
文字は勢いが出るよう斜めに入れることも決めていましたし
「?」が本の真ん中、イラストのちょうど真上に配置することも決めて
一番のポイントとなる、その商品のもつ色のイメージは
今後シリーズの中でどんな商品が来ても
上下の帯状の色のベタ面で表現することにしました。

もちろん本文組についてもいろいろ工夫をしました。
たくさんの「生の声」そのままがダイレクトにつたわるように
しかし単調な羅列にならないように。。

本文中には「生の声」がそのままリアルに載っています。
そして喜山さんがヒントを導いてくださっている文章もあります。
「考えること」と「調べること」と「教わること」は
それぞれ別のことだと日々私は感じていますが
読み方・使い方によって、この3つが実現できる本だと思います。

それを伝えられる装丁にしたい
それを気負いなく自分のものにできる装丁にしたい
と願いをこめてデザインしました。

たくさんの方に手に取っていただけると嬉しいです。


 ※イラストの気持ち



| | コメント (0) | トラックバック (0)

殿、様、さま、さん。

 先日、eメールコミュニケーションの研修をした参加者の方から、どうして「殿」はいけないのですか? と質問がありました。その方は、宛名に、「○○部長殿」と社内であれ社外の方であれつけるが、それがどうしてだめなのか、と疑問に感じたわけです。

 で、それは誤解なので、「『殿』でなくてもよいと言ったつもりで、『殿』ではないけないということではありません」と、謝りました。

 実は、その方だけではなく、研修に参加したその企業の方ほぼ全員が、「殿」を使っていました。そこで、ぼくの言い方は、「殿でなくても」と、語気が強くなってしまったのかもしれません。

 ぼくはふつう、

 お客様には「様」。信頼関係があるお客様には「さま」。社内の同僚には「さん」、

 と案内しています。

 そう言うぼくのガイドには、そもそも「殿」が入ってなかったのですね。

 でも、eメールには「文書」と「会話」の幅があり、「文書」に寄れば、「殿」のオプションが生まれることに、改めて気づいたのでした。

 まぁ、そうは言っても、eメールは、会話のリズム感が生きるコミュニケーション手段ですから、なるべくフラットにフランクにいきましょう、と、そう言いたいわけです。

 先日の研修に参加された方のなかから、お客様であれば「○○様」、社内であれば「○○さん」と書く方が登場したら、とても新鮮だろうなと思うのでした。



| | コメント (3) | トラックバック (0)

イラストの気持ち

 『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』のイラストを描いてくれた、つぼいさんからメッセージをいただきましたので、掲載します。
 つぼいさんの作品も見てくださいね。

 ※間抜け絵イラストレーターつぼいひろき「ちぼいの絵」


Ktg















本書のイラストを描かせて頂きました、
間抜け絵イラストレーターのつぼいひろきです。

今回のお仕事を始める当たり、編著者の喜山さんから、
ボクの世代に向けた本だというお話しを伺いました。
そして本書の原案を拝見しすぐに意識したのは、
男女問わずできるだけ幅広いタイプの人に
手にとってもらえるイラストにしたいということでした。

そこがまさに「キリン・ザ・ゴールド」の魅力であり、
また今回の「なぜ解き」の解答に通じるものだと感じたからです。
それから喜山さんとラフのやりとりが始まりました。

普段は間に編集の方が入ることが多いのですが、
編著者の方と直接やりとりできるのは、
本書に対する純粋な熱意が伝わりとても新鮮でした。

そして何度目かラフで、
「キリン・ザ・ゴールド」の缶のまわりに
「キリン・ザ・ゴールド」を求める人たちを
シチュエーション別に散らしたイラストを提出いたしました。

買い物の途中に「キリン・ザ・ゴールド」のパッケージに惹かれる女性、
味の深みに感動する男性、家族との夕食で晩酌する男性、
「キリン・ザ・ゴールド」なら飲める女性、
自分へのご褒美にちょっと優雅にマイグラスで飲む女性、
そして、風呂あがりに飲むシバタさん(※)・・・

「キリン・ザ・ゴールド」の魅力、
求められている理由をイラストにぎゅっと詰め込みました。
最終的な人々の配置はデザイナーの糟谷さんからのアドバイスでし
たが、3人で1つのものを作り上げていく感覚もとても楽しかったです。
この本にはボクのイラストに登場するような人々のリアルな気持ちが
沢山詰め込まれています。

読者の方がそこから大きなアイデアを得られることを期待しております。
ボクもまた新しいキャラクターを考えようっと・・・。

(※)シバタさんとはボクがいま一押しの謎キャラクターです。
明らかに男ですが、男っぽすぎる感じもなく、年齢不詳。
男性誌、女性誌、子供向け、問わず活躍中です。
間口が広いということでは、
ある意味今回の本のテーマにも合っているかと思い登場させて頂きました。

当然、始めにラフを出した時、喜山さんは驚かれましたが・・・。
掲載にむけて「つぼいさんの大事なキャラなら・・・」と
英断を頂いたこととても感謝しております。ありがとうございました。
でも意外と違和感ないですよね!?(笑)



| | コメント (0) | トラックバック (2)

「身体を動かすことができる」は、新しいベネフィットか!?

 2007年ヒット商品のベネフィットを整理していて、「身体を動かすことができる」のは、商品が提供する新しいベネフィットの要素になっているのではないかと思いました。

03)身体参加

・Wii&DS
-身体を動かして遊ぶことができる

・ビリーズブートキャンプ
-身体を動かしてすぐに痩せることができる

 「Wii」と「ビリーズブートキャンプ」は、「身体を動かす」ことが商品使用の上で欠かせない要素になっています。「身体を動かす」自体では独立したベネフィットにはなりませんが、「身体を動かして遊ぶ」、「身体を動かして痩せる」など、その商品のベネフィットにとっても欠かせないものになっていると感じられます。

 「Wii」について言えば、それまでゲームの世界は、テレビやパソコンの画面の向こう側の世界が豊かになることがベネフィットの高度化を意味していましたが、一方、操作をする身体は、脳だけ参加しているように、不動のまま、置き去りにされてきました。「Wii」のベネフィットは、その置き去りにした身体を起動させたわけで、これは、ゲーム世界と身体の関係が、新しい段階に入ったことを示しているようにみえます。

 「身体を動かす」という側面からみれば、「ビリーズブートキャンプ」も同じではないでしょうか。

 もちろん、これまでもダイエットのためのエクササイズは存在し、それらもビデオとして販売されていました。ただ、そこでエクササイズの内容が表に出ることはあまりなく、「痩せる」という結果が強調されてきたように思えます。

 ところが、「ビリーズブートキャンプ」は、身体を動かすことそのものを絵にした、というか、価値として浮上させたように見えます。それでなくては、YouTube でキャンプ入隊を配信したり、テレビ番組で実行中のシーンがコーナー化されるほどにはならないでしょう。YouTube 普及のタイミングも手伝い、「ビリーズブートキャンプ」は、動画投稿の格好の素材になったのでした。

 で、「身体を動かすことができる」ということが、新しいベネフィットとして浮上しているように思うのです。これらは、もともとも身体を動かすためにあったジムやルームランナーなどとは何か違う気がするのです。それ自体が価値化されているという点において。

 そして、これを、都市生活者は、商品を通じて身体を動かすようになった、と言えば、社会の病態が見えてくるのかもしれません。




| | コメント (2) | トラックバック (0)

同じ事実でも仮説は違いうる。

 『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』について、こんな読後感ならぬ読前感をいただきました。

生の声部分をだーっと先に読んで、 自分だとそこから何を読み取れるのか、挑戦と言うか訓練というか、 トレーニングしたい気分にさせられます。

 これは、嬉しいというか、本望な読まれ方です。同じ事実でも仮説は違いうる。そこで商品をめぐるディスカッションが豊富になれば、結果として商品へのいいフィードバックが生まれるのではないでしょうか?

 読後感が楽しみです。(^^)



| | コメント (0) | トラックバック (0)

消費者製の商品像

 マインド・リーディングの松尾さんが『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』を紹介してくれました。

 「生の声マーケティング:ヒット商品のなぜ解き!・・・キリン・ザ・ゴールド」

興味のある方は、 ぜひこの本を読んでみてもらいたいのですが、 アンケートに回答した消費者は、 ゴールドの特徴やベネフィットをきっちり 理解・把握できているんですよね。

本来のターゲットに該当するユーザーには、

「ゴールド」がなぜ高く評価されるのか?

がよくわかります。

私も、ゴールドを久しぶりに飲んでみて、
確かにバランスの取れた本格派ビールだということ
を再認識しました。ただし、やはり物足りないので
常飲はしませんが。

 「評価の理由がよく分かる」。こう言っていただけるのは本望で、「生の声マーケティング」のすべきことが、見えてくる気がしました。

 「生の声マーケティング」は、消費者の生の声(事実)を根拠に行うマーケティングのことですが、その第一歩は、消費者製の商品像をつくることなんだと改めて実感します。

 マーケターが、パッケージやCMその他のコミュニケーションを通じて伝えるメッセージから作られるのが、マーケター製の商品像だとすれば、「生の声マーケティング」は、それを一端、消費者の生の声を頼りに、「消費者の商品像」に置き換えることから始まる、ということです。

 MI:マーケター製の商品像

    ↓ 置き換え

 CI:消費者製の商品像

 MIをCIに置き換える作業です。そして、このMI(マーケター製商品像)とCI(消費者製商品像)の差異が、マーケティングの課題(MT)になるわけです。

 MT=MI-CI


やはり現状では、
ゴールドのターゲットイメージが拡散気味で、

「誰のためのビールか?」

が不明確になっているのが問題だと思いました。

この点を改善すれば、商品力は高いだけに、
定番ビールの一角を占めるブランドとして安定軌道に
乗れるんじゃないでしょうか?

 この本を通じて、こんな商品をめぐる議論が活発化されると嬉しいです。議論を通じたマーケティング努力の積み重ねは、10年商品誕生へ寄与してくれると思うのです。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

事実=生データを尊重する

 『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』を献本させていただくことがあるのですが、さる方から早速、感想をいただきました。

 中身のひとつひとつについて、というより、

  「意見や安易な解釈に走らず、まず事実=生データを尊重する」。賛成です。貫き通してください。

 と、こう書かれていました。

 とても励まされるひと言です。

 「生の声マーケティング」の第一歩は、商品について、いったん企業の提案を、徹底的に消費者の言葉に置き換えることから始めます。「事実は色褪せない」。その、事実の力を借りるのです。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年ヒット商品のベネフィット

 昨日分類した、2007年ヒット商品番付(日経MJ 12/03)」について、個々の商品のベネフィットを出してみます。消費者の生の声を聞いているわけではないので、確度は高めていく必要があります。


01)映像自在
・動画投稿
-動画を発信することができる。

・iPodタッチ
-指でなぞるだけで映像や音楽を楽しむことができる。

・顔認識技術
-セミプロ並みにきれいに撮ることができる。

・フリクションボール
-ボールペンで書いたものを消すことができる。

02)映像の超リアル化
・ハイビジョンビデオカメラ
・ブルーレイ・ディスクレコーダー
-これまでにない美しい映像を楽しむことができる。

03)身体参加
・Wii&DS
-身体を動かして遊ぶことができる

・ビリーズブートキャンプ
-すぐに痩せることができる

・インド式計算法
-脳を鍛えることができる

04)行動自在
・電子マネー
-買物や移動がスムーズにできる。

・ホワイトプラン
-料金を気にせずコミュニケーションできる。

05)身体ケア(の高度化)
・高級ヘアケア
-髪をケアして若返ることができる。

・トランシーノ
-シミを取り除くことができる。

06)環境ケア
・マイ箸
・エコバッグ
-環境をケアを表現することができる。

07)異化
・デカ盛りフード
-お腹いっぱい食べられる

・トマトのお酒
-フルーティなお酒を楽しめる。

・塩系スイーツ
-コクのある美味しさを味わうことができる。

・地域別価格制度
-ここでなら安く買うことができる。

・価格据え置きセール
-今なら安く買うことができる。

08)男性のフェミニン化・女性のマッチョ化
・AXE
-女性にもてる気がする。

・レギンス
-楽におしゃれを楽しめる。

09)ベネフィットの強化
・チャーミー 泡の力
-長く泡立てて洗うことができる。

・カロリーゼロコーラ
-美味しくダイエットできる。

・∞プチプチ
-プチプチ感覚を味わうことができる。

・ライフリー吸水下着スリムウェア
-心地よく履くことができる。

10)楽になる
・アラウーノ
-トイレ掃除が楽になる。

・くるりんポイ排水口
-排水口の手入れが楽になる。

11)携帯化
・室内飛行機
-手軽にリモコン飛行機を楽しめる。

・グランドピアニスト
-グランドピアノのミニチュアを楽しめる。

12)手軽
・新型OS
・ぶるぶるフィットネス
-着替えせずにダイエットできる。

13)更新
・TOKYO
-新しい街を楽しめる。

・ニッサンGTR
-なじみあるブランドを楽しめる。

14)本物
・千の風になって
-身近に本物を楽しめる。




| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年ヒット商品の構造化

かなり強引な手つきになりますが、「2007年ヒット商品番付(日経MJ 12/03)」に挙げられたヒット商品の特徴を整理してみました。ただ、「おしりかじり虫」はまだ聞いたことがありません、未整理で保留としておきます。


01)映像自在
・動画投稿
・iPodタッチ
・顔認識技術
・フリクションボール

02)映像の超リアル化
・ハイビジョンビデオカメラ
・ブルーレイ・ディスクレコーダー

03)身体参加
・Wii&DS
・ビリーズブートキャンプ 
・インド式計算法

04)行動自在
・電子マネー
・ホワイトプラン

05)身体ケア(の高度化)
・高級ヘアケア
・トランシーノ

06)環境ケア
・マイ箸
・エコバッグ

07)異化
・デカ盛りフード
・トマトのお酒 
・塩系スイーツ
・地域別価格制度
・価格据え置きセール

08)男性のフェミニン化・女性のマッチョ化
・AXE
・レギンス

09)ベネフィットの強化
・チャーミー 泡の力
・カロリーゼロコーラ
・∞プチプチ
・ライフリー吸水下着スリムウェア

10)楽になる
・アラウーノ
・くるりんポイ排水口

11)携帯化
・室内飛行機
・グランドピアニスト

12)手軽
・新型OS
・ぶるぶるフィットネス

13)更新
・TOKYO
・ニッサンGTR

14)本物
・千の風になって



| | コメント (0) | トラックバック (0)

映像自在と身体参加

 2007年ヒット商品番付(日経MJ 12/03)を見ると、ヒット商品に見る今年のキーワードは、映像自在身体参加ではないかと思います。

 「動画投稿」は、自分メディアを持った消費者が、テキストと画像に加えて、動画もメディアのひとつに加えたことを意味します。動画をすぐに共有できる環境を持ったことで、映像に対する自在感は格段に高まりました。「iPodタッチパネル」も、携帯という極小の画面のなかでも、映像を自在に操っている感覚をぼくたちは持つことができるでしょう。

 自在感の中身にはもう少し奥行きがあって、「顔認識技術」は、ぼくたちが写真で映像化するときに、顔や笑顔にピントを合わせたいという願望を、技術が実現してくれるようになったことも入ってきます。ぼくたちの手の技術を越えて、映像に対する自在感が深まっているのです。

 それは、デジタルの世界だけにとどまりません。「フリクションボール」は、アナログの紙の上でも、インクを消すことによるデジタル・ライクな映像へのハンドリング感覚を味わわせてくれます。

 もうひとつは、「身体参加」です。これまで、ゲームの世界は、ゲーム内の世界、映像や物語の高度化が進んできました。映像世界の増殖が、ゲームの世界の主な動因でした。その一方、ゲームを操作する人間身体は、ほぼ動かない。手を介した不動の参加、それはまるで、参加しているのは脳だけというようでした。そこに、「Wii&DS」は、リモコンを振り回すことにより、ゲームの世界に身体の参加を呼び込んだわけです。

 これは映像と身体の関係が、目盛りをひとつ進めて新たな段階に入りつつあることを意味しているように見えます。これは、「ビリーズ・ブート・キャンプ」のように、凝縮して身体参加を求める動きもありました。一方、「インド式計算」のように、脳という身体参加もまた意識化されていました。

 今年を象徴するヒット商品は、映像自在と身体参加がキーワードになっているように思えます。 


■横綱

・Wii&DS
・電子マネー

■大関

・顔認識技術
・ハイビジョンビデオカメラ

■関脇

・デカ盛りフード
・TOKYO

■小結

・動画投稿
・ホワイトプラン

■前頭

・iPodタッチ
・AXE
・フリクションボール
・チャーミー 泡の力
・地域別価格制度
・価格据え置きセール
・高級ヘアケア
・トランシーノ
・ビリーズブートキャンプ 
・室内飛行機
・ブルーレイ 
・ニッサンGTR
・トマトのお酒 
・カロリーゼロコーラ
・アラウーノ
・くるりんポイ排水口
・レギンス
・ライフリー吸水下着スリムウェア
・マイ箸
・エコバッグ
・千の風になって
・おしりかじり虫
・インド式計算法
・塩系スイーツ
・新型OS
・グランドピアニスト
・ぶるぶるフィットネス
・∞プチプチ



| | コメント (0) | トラックバック (0)

やっぱり店頭

 「やっぱり店頭だよ」。

 10年商品も手がけるマーケターの開口一番が、これでした。

 「日本の製品は、基本はいいと思う。いい製品が多い。ただ、売り方が伴ってないんだよ。」

 「データ至上主義になってる。何が売れてるのかは分かってるけど、なぜ売れてるのかは分かってないから手が打てない。最後は、やっぱり『勘』だと思う。」

 「勘」。言い換えると何ですか?

 「『これはイケル』とか、『面白い』とか、『自慢できる』とか、そう感じられること。データで分析したことを、キャッチーに言えるかどかが大事だよ。なんでこうデータ、データばっかりになっちゃったんだろうね」

 データが見れるようになったからじゃないですか? と、わたしは間抜けな返答。

 「店頭での強い訴求が必要だと思う。マスだとそこまでは要らない。もう最近は、マスは要らないんじゃないかと思ってる。CMは踏み絵みたいなもんでさ。CMで訴求しても、店頭に無かったら何にもならないし、そもそも水口さんも言ってるように、『認知は購買を保証しない』。『認知』は要らないんじゃないかと思う。店頭でしっかり訴求できれば、それが一番いいんじゃないか。」

 「そういう意味では、開発マーケターはまだ手を汚そうとしていない。きれいになりすぎちゃうんだよね。開発マーケターが営業と一緒に活動する、そんなつなぎが要るんだと思う。」

 「手を汚す」というのは、汚いことをするという意味ではなくて、足で考えるということだと思う。
 「マスは要らないんじゃないか」というのは、それこそキャッチーな言い方ですが、取り組まなければならないことを示唆すると言う意味では、充分インパクトのある言葉でした。

 わたしは、『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』の本を紹介しにのこのこ伺ったわけだったが、切り返しの言葉は、充分にわたしの宿題にもなりました。

 キャッチーにすること、店頭マーケティングへの取り組み、などなど。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』の成り立ち

 『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』は、キリン・ザ・ゴールドを飲む消費者に、キリン・ザ・ゴールドの気に入っている点や飲むシーンなどを聞いた、生の声がもとになっています。

 企業が提案する商品のベネフィットをいったん脇に置いて、というか、それは一切使わずに、商品について、全部、消費者の言葉に置き換えています。企業、マーケターの言葉ではなく、消費者の言葉をマーケティングでは、消費者言語と呼びますが、商品をマーケター言語ではなく、消費者言語で置き換えるのです。

 たとえば、キリン・ザ・ゴールドについて、企業の提案するベネフィットに「隠し苦味」という言葉がありますが、消費者は、それをそのまま「隠し苦味」と言っているのか、何と言っているのか、そもそも、そのことに言及しているのかを見ていきます。すると、マーケターの提案する商品像とは別に、消費者が認識している商品像が得られます。

 この消費者言語でいっぱいになった商品像が得られると、商品が市場で実現している価値が見えてきます。さらに、その価値に消費者は何を求めているかも見えてきます。これ自体、とてもスリリングな過程ですが、こんな商品の価値や消費者のベネフィットが見えてくれば、マーケターの提案する商品像と比較することで、商品について理解を深めることができます。

 この本では、消費者言語による商品像から、消費者が価値と感じていることや消費者のウォンツを浮き彫りにして、それを別の新商品に生かせるように、エッセンスを抽出しようと試みました。ヒット商品には、別のカテゴリーの商品にも生かせるヒントが宿っていると思うからです。

 マーケターの商品像を、消費者言語の商品像に置き換えるのは、生の声マーケティングの大事なステップなのです。


Ktgold










□書 名:『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』
□編 著:喜山 荘一
□定 価:1500円
□出版社: ドゥ・ハウス
□発売日: 2007/12/15
□ISBN-13:978-4903649016
□概要:
ヒット商品の「なぜ」を消費者の生の声で「解く」というコンセプトでつくりました。テーマ商品は、キリン・ザ・ゴールドです。キリン・ザ・ゴールドの魅力を消費者の生の声で紐解き、新商品開発のアイデアを抽出しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

格差。どんだけぇ?でもそんなの関係ねぇ。

 ぼくたちはあらゆることが相対化される社会に生きていますが、今年の流行語も、そういった、ぼくたちのいる場所を確認させてくれました。

 こういってぼくが念頭に置いているのは、2007年に流行した「どんだけぇ?」と「でもそんなの関係ねぇ」のことです。

 たとえば、「どんだけぇ?」。これは、想定より、度合いが大きいことを確かめるときに発せられる場合もあれば、逆に、度合いが小さいと思えるとき(なんぼのもんじゃい)に言われる場合もあります。「どんだけぇ?」は差異の強調(確認)です。また、「でもそんなの関係ねぇ」は、話題になっていることや自分の状況など、相対的にやってくる事象に対して関係を切断します。ここには、切断による自己確認の仕草が見られます。

 「どんだけぇ?」も「でもそんなの関係ねぇ」も、すべてが相対化される社会のなかで、差異や関係を見つめる場所から発せられているようなのです。

 そして、相対化された社会を生きる術が、“差異の戯れ”と言われていたことがあり、現在も、大きくはそれと変わらないと思えますが、ただ、それでも少し違うと思えるのは、いまは「戯れ」が足りない。差異に遊びが欠乏している。そんな印象がやってきます。

 80年代、相対化される社会が実感的になったときのキーワードのひとつに、「関係ない」というのがありました。たしか、栗本慎一郎も、時代の気分を言い表すのに、「関係ない」を使っていたと思います。イデオロギーとしての巨大な物語が、それが基盤としていた動かしがたい現実がすでに無くなっているにもかかわらず、コミットすべき巨大な物語たることを止めないとき、「関係ない」という言葉は、相対化の自由を獲得するための言葉としてつかまれていたはずです。

 きみたちはそれと知らないようだが、実は大きな物語のなかに組み込まれているのだから気づくべきだという言い方に対して、それへのノン・コミットの意思表示として、しかし、大声ではなくつぶやくように、「関係ない」と言ったのでした。

 「でもそんなの関係ねぇ」という流行語は、80年代の「関係ない」の延長線にやってくるものだと思えます。しかし、それがつぶやかれるように言われたこととは逆に、現在は唱和する合言葉のようにあるということ。そして、「関係ない」の前に、「でも」という逆接がつくようになっていることが、ある変化を伝えています。

 80年代のそれは、もう亡霊であることが気づかれているのにやってきたので、それには、「関係ない」と、つぶやくように、言ってみれば、後方に向かって言ったのでした。しかし、今、そこにわざわざ、「でも」を入れて初めて文脈が成立するということは、「関係がある」、ありそうという文脈が生まれ、それが前方からやってきていることを指しているように見えます。

私の場合は、こんな時代に生きて、それなりに暢気に生きていますので、革命とか反逆とか、そういう重い課題には直面してはいないですが、些細な日常の出来事からも、私の生まれる前に、吉本青年が生み出した、この「関係の絶対性」という言葉は、いまだに重くのしかかってくるんですよね。
             (「関係の絶対性」という言葉をあらためて考えてみました。」

 ここで、mb101boldさんの言葉を引いてみると、ぼくたちは、「関係の絶対性」を装ってやってくる事象に対して、「どんだけぇ?」と確かめてみたり、「でもそんなの関係ねぇ」と言ったりしているのではないでしょうか?

 「関係の絶対性」、動かしがたく自他を分かつもののように立ち現れるもの。このように言えば、今日び、「格差」という言葉がそれらしい装いをしているのに気づきます。そう捉えれば、相対化社会の旗印である“差異の戯れ”から、「戯れ」が消えかかっているように感じられるのも頷けます。

 そして単にこれらの言葉を並べるだけで、2007年の時代の空気を吸えるような気がしてくるのです。

 格差。どんだけぇ? でもそんなの関係ねぇ。

 ところで、ここにいう「関係ねぇ」は、「格差社会」という物語から自分の足場を確かめようとする仕草なのかもしれません。「でも、そんなの関係ねぇ」の口調に倣って少し強弁すると、「格差社会」がほんものの「関係の絶対性」なのかどうか、それは本当には分からない。簡単には「格差社会」の物語には乗らない、乗りたくない。掛け声のようなこの流行語には、そんな抗いを見て取ることもできるかもしれません。


| | コメント (2) | トラックバック (1)

カンバセーショナル・マーケティング

 カンバセーショナル・マーケティングというトレンドを、四家さんに教えてもらいました。


 ◎Eメールの「生の声」からカンバセーショナルマーケティングへ
 ~激変するオンラインマーケティングの未来~ (前編) MarkeZine

 ◎Eメールの「生の声」からカンバセーショナルマーケティングへ
 ~激変するオンラインマーケティングの未来~ (後編) MarkeZine

 対談のなかでも、カンバセーショナル・マーケティングをガイドしてくれるブログを紹介してもらっています。

 「カンバセーショナル(会話)マーケティング」のアーキテクチャとコスト

 これを読むと、自分メディアであるブログを消費者が手にしたことで、膨大な量の消費者の発信が生まれるようになった。しかし、いままでのところ、ブログ・マーケティングとは、その消費者の声に応えようとするよりは、クチコミに値する消費者の声を人為的に作ることに専念してきたようにみえる。そうではなく、もっと企業のマーケターは、会話すべきではないのか。カンバセーショナル・マーケティングは、こうした背景があって生まれてきたように見えます。そうだとしたらとても真っ当な流れです。

 ところで、「対話(ダイアローグ)」ではなく、「会話(カンバセーション)」なのはなぜか。ぼくは知見を持たないので、直感で言うしかないのだけれど、ブログはおしゃべりするように書くことでコミュニケーションを生むから、対話というより、会話というのが当たっている。「対話」は、<一対一>のコミュニケーションのようにニュアンスされるけれど、「会話」は、<一対一>から<多対多>までのニュアンスを包含している。「会話」と呼ぶのは、その自然発生的なひろがりや話題のひろがりを生かそうとしているからだ。そんな印象を受けます。

 四家さんの「話し言葉」が大事という発言も、「会話」という背景を置くと、受け止めやすくなります。


 それにしても、四家さんの気配りと見識が嬉しい対談でした。ありがとうございます。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

遠ざかる「新」と「定番」

 マーケターの方とのディスカッションのなかで、「定番と呼ばれる商品が、一挙に20~30年前のものになって、新商品はフロー化している」という話を伺った。

 ぼくのイメージは、長期不況のなか、コンビニをはじめとする流通圧力が激しく、矢継ぎ早に新商品を投入してったが、それでは消耗戦なってしまう。その反省のもと、最近は、店頭での商品の育成にも力を入れるようになったと、というものだった。

 でも、言われてみれば、不況を脱したと言われても、ちっとも実感は湧かない。その実感に照らせば、とても納得のいくものだ。

 「新定番」が生まれにくくなっている。「新」と「定番」が遠ざかったままなのだ。

 コンビニに商品育成の場は望むべくもない。さりとて、スーパーのその場の役割を担いきれていない。それなら、他のチャネル、身近な顧客と直に接することができる場で、商品をじっくり育てていくしかない。というか、そういう場を確保すべきなのだろう。

 そう考えると、思い浮かぶのは、やはりインターネットだ。ネットは、顧客をネットワーク化し、対話するのにいい。むしろ、そのためにあるような空間だ。そういう意味で、商品育成の格好の場なのだと思う。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

味ある言葉集

 無機的になりがちなeメールを、ほっとさせる、味わいあるものにする言葉を集めてみました。

1) 「追伸」
  ・文末にビジネスから少し離れた文脈をつくるのに使えます。

2) 「おまけ」
  ・セミナー参加者から教えてもらったフレーズです。「追伸」と同じです。ひらがななのがいいですね。

3) 「蛇足」
  ・「追伸」、「おまけ」に同じです。これもセミナーの参加者から教えてもらいました。

4) 「かしこ」
  ・昔、文末をこれで締めている女性がいました。味わいが出ます。

5) 「拝」
  ・喜山拝。などのように、文末に置きます。

6) 「拝読いたしました」
  ・こう書かれると、丁寧に読んでもらった気がしてきますね。

7) 「小職」
  ・自分をへりくだっていう表現。

8) 「小生」
  ・辞書には、「男子が自分をへりくだっていう言葉」とあります。ぼくには、書生さんのイメージがあります。

9) 「幸甚」
  ・非常にありがたいときに使います。ちなみに、村上龍も、ときに使うそうです。


 「小職」など、いつも使っている方もいるかもしれません。でも大半は、ときに使うから、味わいが増します。村上龍だって、「幸甚」をいつも使っているわけではなく、ひんぱんには使えないと断っています。(もっとも、村上がこれを頻繁に使っている姿は想像できないわけですが)

 みなさんも、ときに、使ってみてはいかがでしょうか。相手がほっとしたり、微笑んでくれたりするかもしれません。

 それから、小粋に使っているフレーズや言葉があったらぜひ、教えてください。加えていきます。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』

 『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは売れるのか?』というマーケティング本を発売します。

 この本は、ヒット商品の「なぜ」を消費者の声で「解く」をコンセプトに、消費者の生の声で、商品の価値を発見し、新商品アイデアのヒントを抽出しています。

 テーマ商品は、キリン・ザーゴールドです。この商品のどこに消費者は価値を感じているのか。この商品に消費者は何を求めているのか。生の声を根拠に分析しています。

 消費者の「生の声」をもとにマーケティングしたい、マーケター、プランナー、ビール好き?の方にお勧めです。

 この本へのご感想、ご意見もお待ちしています。次回の本づくりにどんどん反映させていきます。

Ktgold










□書 名:『なぜ、キリン・ザ・ゴールドは求められるのか?』
□編 著:喜山 荘一
□定 価:1500円
□出版社: ドゥ・ハウス
□発売日: 2007/12/15
□ISBN-13:978-4903649016
□概要:
ヒット商品の「なぜ」を消費者の生の声で「解く」というコンセプトでつくりました。テーマ商品は、キリン・ザ・ゴールドです。キリン・ザ・ゴールドの魅力を消費者の生の声で紐解き、新商品開発のアイデアを抽出しています。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

セゾン、散る

 そんなの、とうの昔にそうだったよという話かもしれませんが、ウォルマートが西友を完全子会社化したという報を耳にして、ああと感慨を覚えずにいられませんでした。

 ウォルマート、西友株のTOB開始、1株あたり140円

 自分は何を感じているのだろうと、しばらく考えてきたのですが、どうやら、この報道で、セゾンは完全に散ったと感じたようです。

 ぼくは糸井重里の「おいしい生活。」に代表されるコピーが大好きでした。「不思議、大好き。」、「ほしいものが、ほしいわ。」、「より道主義だ。」、「いいにおいがします。」など、今でも、言葉を聞くだけで、当時の時代の空気が蘇ってきます。そしてそれだけではなく、当時も、そのコピーを口にするだけで、時代を生きる酸素をもらっている気がしたものです。「お手本は自然界。」もよかった。

 コピーが好き、が昂じて就職先を決めてしまったようなものでした。安月給だったと思いますが、それでも、そのコピーたちがあると思うと、人はパンのみにて生くるにあらず、などと変な引用をして納得していました。

 そんな言葉の魔法が解けたのはいつだったろう。

 90年代に入り、糸井重里は、「商品の包み方の一番じょうずな百貨店になります。」と企業要請に応じてコピーするのですが、これは時間的には、「いいにおいがします。」の後ですが、言葉としては、その後に来るものではなく、ある断絶を含んでいます。

 糸井が、「商品の包み方の一番じょうずな百貨店になります。」のような現実的なコピーを作ったのが、魔法が解ける瞬間だったでしょうか。ぼくは当時、売場で、それこそ包装の練習をしましたが、状況に落胆したものの、それで魔法が解けたようには思っていなかったと思います。

 そうやって思い出すのは、92年の東武百貨店大増床に伴う、「ふつうの百貨店」です。巨艦になりながら、ふつうもヘチマもないだろうと半畳を入れたくなりますが、このコピーは新しい百貨店の「ふつう」を提示したという更新の意味は持っていました。でも、「ふつうの百貨店」には、身も蓋もない現実感があります。ぼくは、鉄道を隔てた向こうの百貨店のコピーで、魔法が解けた、白けたのかもしれない。

 ぼくにとっては、それが何か、西武百貨店の終わりを示しているような気がしています。糸井のコピーによってではなく、糸井のコピーが西武から去るということでもなく、もうひとつの巨艦店舗の増床のコピーによって。

 でもそれでも、セゾンには西友があり、西友はセゾンの砦であると、どこかで思っていたのでしょうか。そんな期待が、今回の完全子会社化により、消えました。これからは、別物になって西友も生きるのでしょう。

 そしてそれと同時に、セゾン散る、あの、セゾンの文化も完全に企業体としての拠点を失ったんだなと思いました。個人的な感じ方に過ぎませんが、ぼくはどうしてもそう思えてきます。(いや、まだ良品計画があるのかな)
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

CCは、横?縦?

 金曜に、eメールコミュニケーションをテーマに話す機会があったのですが、eメールは生ものだと、その場でもつくづく感じました。

 CCのことに話が及んだときです。

 わたしはCCについて、こんな整理をしました。

 1)CCは、明記する。
  ・自社、他社が混在して人数が多い場合は、
   CC(他社各位)、CC(自社各位)と、分けて書く。
 2)CCは、横に書くのが一般的。
 3)CCに、上司を入れてもいい。
 4)やりとりの途中で、CCに加えてもいい。
  ・ただし、必要最小限に。
  ・ただし、誰が加わったと、紹介する。

 2)や3)は、セミナーのときに、最近、質問を受けることなので、整理として加えていました。
 3)の質問など、わたしは想像もしたことがなく、初めは何を聞かれているのか分からなかったのですが、聞き返してやっと合点がいったのは、CCに上司が来る場合、「報告」に当たることが多いのだけれど、ここに上司を書いてもいいのかという疑問の背景には、「報告」ではなく、「脇に置く」ことになるのではなかと懸念があるようなのでした。

 TO 佐藤様      CC 田中

 ここで、「佐藤様」が顧客に当たり、「田中」が上司に当たる場合、「CC 田中」は、上司である田中さんに対して、eメールの内容を「報告」しているのですが、そうではなく、まるで脇に置いていることにならないのか、と、質問している人は気にしているのでした。

 これは、「報告」を意味するのであって、気にすることではない、というのがわたしの回答になります。その場でも、3)が新入社員の頃、気になったという方はいました。
 けれど、どうもしっくりこない。何か、腑に落ちてない雰囲気を感じて、いろいろ聞いてみると、3)のことではなく、2)に引っかかりがあるようでした。

 2)の、「CCは横に書く」という意味を、わたしは、次のように、

 TO 佐藤様    CC 田中、鈴木、渡辺

 と、CCに書く人が複数いる場合は、横に並べるのが一般的で、

  TO 佐藤様    CC 田中
                鈴木
                渡辺

 とする必要はない、ということを言っているつもりでした。
 これも、聞かれたときは驚いた質問でしたが、要は「縦に書く」ことが、序列を尊重した書き方になるのではないかという意図で、CCに上司を入れてもいいのかという質問に似た問題意識でした。

 これには、CCは横に書けばいい、序列は、CCの並びで表現すればいいので、縦横は気にすることではないとわたしは答えています。

 でも、わたしの「CCは横に書く」という表現は舌足らずで、研修に集まったみなさんは別の意味に採っていたのです。

 みなさんは、

 TO 佐藤様    CC 田中

 これは、「CCは横に書く」だけれど、「CCは縦に書く」ということを、
 
 TO 佐藤様   
 CC 田中

 と、受け止めているのでした。
 わたしは「横」パターンで、いつもは書いているのですが、その場の質問者には、この横パターンを「変わってますね」とまで言われる始末でした。それもそのはず、「縦派」か「横派」で挙手をしてもらったところ、150人のほぼ全員が「縦派」で、「横派」は圧倒的な劣勢で、みなさんは「縦」で書いているのでした。

 これはどちらが正しいということはないと思います。eメールの本文の書き出しのスペースは、とても価値が高いから、一行でも行数を縮めて、本文に入ろうと考えれば、「横」の方がスペースを有効に使っていることになりますが、だからといって、そうすべき、ということにはならないでしょう。

 eメールは生ものだなぁとつくづく感じるケースでしたし、わたしも新たな気づきをこれ以外にも、多く得られました。参加者のみなさんどうもありがとうございました。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »