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『クチコミの技術』の新しさ

『クチコミの技術』の新しさは2つある。

マーケティングに、
企業はクチコミをコントロールできないけれど、
きっかけをつくることはできる、
という認識を加えたこと。

もうひとつは、企業と消費者が同じ土俵にいるということは、
個人のブロガーは、
企業でこれからブログをやらんとする担当者の「先輩」
なのだということを示したことだ。

 ○ ○ ○

Web2.0が実感的になるにつれ、
裏づけが得られたように、
CMが効かないことも認識されるようになった。

そこでは、2つのことが指摘されてきた。

1)企業は消費者のコミュニケーションを
  コントロールできない。

消費者の立場になれば至極、当然のことなのに、
このことが前提となるのに、消費者主導が可視化される空間
の出現が必要だったのかもしれない。

2)消費者による商品のネガティブ評価は
  許容しなければならない。

1)の帰結は、当然このことを踏まえることになる。

Web2.0以降、マーケティングの議論は、
ここまでは共通了解事項として進んできた。

『クチコミの技術』は、ここに、
クチコミはコントロールできないけれど、
きっかけをつくることはできるとして、
マーケティングの方向性を示してくれている。

これは、消費者の無意識を操作せよというメッセージとも、
CMがあって検索があるというメッセージとも異なり、
真っ当だと思える。


そしてもうひとつ。

 ネットでは、企業も個人と同じ土俵にのります。

このメッセージはこの本の中の主調音のように繰り返される。

 従来のメディアは読者をいかにターゲットするか
 を主眼としているのに対し、メディア化した個人
 ブログというのはいかに読者にターゲットされる
 かということを主眼としているということです。

この認識はとても共感できるものだ。

ぼくたちはこのことを、
「囲い込み」から「飛び込み」へという
流れで捉えてきた。

でも面白いのはここからで、
この事態について、だから、と著者たちは続ける。

 その意味では、私たち筆者はこれからネットの世界
 に参加しようとする企業にとって“先輩”です。

と、指摘していることだ。

なるほど、そういうことなのだ、と思う。

ともすると、ブログ・マーケティングは、
タレントをして語らしめること、
と理解されがちな中にあって、

強力なブロガーによる『クチコミの技術』は、
実践に裏打ちされ、とても説得力があった。

 ○ ○ ○

先輩たちの教えるところによれば、
ブログとは農業だ。

「継続は力なり」。
かつて農業が培った忍耐や手入れのよさは、
今日的には、ブログが培うのかもしれない。
これは蛇足。


クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング

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